
三井住友カードから「Vポイント有効期限が迫っています。お早めにご利用ください」のメールが届き、思わず開いてしまった。そんな経験はありませんか。2025年12月現在は、三井住友カードからポイント失効お知らせを装ったフィッシング詐欺メールが急増しています。
詐欺メールの手法は、年々巧妙化しており、マイアカウントから「ID・パスワード」入力させ盗み取る手口が主流となっています。本記事では、不審メールの見分け方から、万が一情報を入力してしまった場合の対処法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
三井住友カード「Vポイント有効期限」詐欺メールとは?
目次
三井住友カードを装い、不特定多数にフィッシングメールを送り、ログイン情報を搾取する詐欺手法です。「ポイント有効期限が迫っています。お早めにご利用くださいお知らせ」という件名を使う手口が増えています。
一見すると三井住友カードからポイントの有効期限切れの案内に見えるため、開封してしまう人が少なくありません。
またポイントは「40,000ポイントが有効期限切れ」になる等、高額のポイント失効で、ユーザを騙そうとします。
実態は偽サイトに誘導するフィッシング詐欺
三井住友カード「ポイント有効期限」詐欺とは、正規の利用通知やポイント失効の案内を装い、偽サイトへ誘導するフィッシング詐欺です。メールやSMSに記載されているはURLリンクをタップすると三井住友カードのHPを模した本物そっくりの偽ログイン画面が表示されます。

本物そっくりのサイトのため、一目では見分けが付きません。ではどのように偽サイトを見分ければよいでしょうか。次の章で詳しく解説致します
実際に出回っている詐欺サイトの見分け方
詐欺サイトの見分け方はいくつか方法があります。URLで見分ける方法もありますが、文字を比べるのも大変なので、他の方法をご紹介します。
①サイト内リンクで判断する
まず三井住友カードのログイン画面を見てみましょう。ホームページにはログイン画面の他に、サービスリンクがあります(赤枠部分)

この赤枠のリンクをクリックしページの偏移先を確認します。
クリックしてもログインページのまま変更なし、または、カード番号を入力するようなページにリダイレクトされる場合は、詐欺サイトの可能性が大変高いです。
※正規サイトはすべてのリンク先にきちんとページが存在します
②aguse(アグース)で検索してみる
アグース(aguse)は、怪しいURLや不審なWebサイトの安全性を調べられる無料のオンライン調査サービスです。
調べたいURLを入力するだけで、ドメイン情報やIPアドレス、サーバーの所在地、ブラックリスト登録の有無などを確認できます。
また、実際のサイトに直接アクセスせず、スクリーンショット形式でページ内容を確認できるため、ウイルス感染やフィッシング被害のリスクを抑えながら調査できる点が特徴です。
迷惑メールや詐欺が疑われるリンクの安全確認に役立つ、一般ユーザーにも使いやすいセキュリティチェックサービスです。
aguseでの検索方法
以下URLをクリックします

アグースのトップページが開きますので、詐欺メールに記載があるURLをメールからコピペし「調べる」をクリックします。1分ほど時間が掛かりますが、検索が終了するとサイト情報が確認できます。

サーバー証明書をチェックしましょう。こちらのサイトは取得者が「account-amex.stewartgrangeart.com」となっています。組織名なし。所在地がなし。
大手企業がホームページを公開するにあたり、組織名や所在地を登録しないことは、まず考えられません。
このあたりをチェックするだけでも違和感に気づけます。またコモンネームにamexの文字が入っていますので、アメリカンエキスプレスカードでも同じ詐欺を行っていると想定できます
正規サイトのコモンネーム

こちらが三井住友カード正規サイトの取得者情報になります。組織名は「Sumitomo Mitsui Card Company,Limited」となっており、組織名、所在地が正しく揃っています。所在地も日本になってることが確認できますね
サーバーのブラックリスト判定

画面最下部にはブラックリスク判定があり、本サイトは「バラクーダネットワークス」が公開しているブラックリストにチェックが付いています。つまり要注意すべきサイトと言えます。
ホームページのリンク先がおかしい、アグース検索で所在地や組織名がない、ブラックリスト登録がされている。このように情報を積み重ねることで、違和感に気づけますので、ぜひお試しください
実際に到着した三井住友カードの詐欺メール
以下メールは2025/12/15届いた、三井住友カードのVポイント詐欺メール本文です。46,110ポイントが12/16日に失効すると記載あります。「今すぐポイントを使う」の後に記載あるURLは詐欺サイトです
【重要】Vポイント有効期限が迫っています|お早めにご利用ください
いつも三井住友カードをご利用いただきありがとうございます。
お客様がお持ちの Vポイントの一部が、まもなく有効期限を迎えます。
有効期限を過ぎると、未使用分のポイントは自動的に失効いたします。
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■ 失効予定ポイント数
46,110ポイント
■ 失効予定日
2025年12月16日
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Vポイントは、以下の特典にすぐご利用いただけます。
?現金キャッシュバック(口座振込?請求金額からの減額)
?Amazonギフト券
?Google Play?App Store & iTunes ギフトコード
?ANAマイル?Tポイント
?楽天ポイント など各種提携先ポイント
?各種電子マネーや商品交換
今すぐポイントを使う:
https://smbco.ocalaneckpain.com/→→→詐欺サイト
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※有効期限を過ぎたポイントは再発行できません。
※交換完了までにお時間がかかる場合があります。
お得なVポイントを無駄にしないためにも、ぜひ本日中にご利用ください。
三井住友カード株式会社
以下画像は、送信元のアドレスです。差出人は「三井住友カード」と記載ありますがメールアドレスはランダムな英数字になっており、公式アカウントからの配信ではないことが分かります。

三井住友カードの公式ドメイン
以下は公式ドメインとなります(@以下の英数字)本ドメイン以外は詐欺メールの可能性が高いです。
・contact.vpass.ne.jp
・vpass.ne.jp
・mail.vpass.ne.jp
・smbc-card.com
・prepaid.smbc-card.com
・payment.vpass.ne.jp
・contact.smbc-card.com
詳細は以下三井住友カードの公式ホームページから確認をお願いします。
万が一、詐欺サイトでログイン情報を入力してしまった場合の対処法
万が一、詐欺メールのリンクを押してしまったり、偽サイトでIDやパスワードを入力してしまった場合でも、迅速に対応すれば被害を最小限に抑えられます。
まず最優先で行うべきなのは、VpassのID・パスワード変更です。あわせて、同じパスワードを使い回しているサービスがあれば、すべて変更してください。片っ端からログインされ被害を拡大させてしまいます。
次に、Vpassで利用明細を確認し、身に覚えのない請求がないかをチェックします。カード番号や暗証番号まで入力してしまった場合は、放置せず必ず公式窓口へ電話問い合わせをしてください。
| 問い合わせ内容 | 窓口名 | 電話番号 | 受付時間・補足 |
|---|---|---|---|
| Vpass ID・パスワード関連 | Vpass自動音声サービス | 0570-001-298 | 24時間対応 |
| 口座番号を入力してしまった場合 | 三井住友カード 相談窓口 |
0120-919-456 06-6445-3530 |
年中無休・24時間 接続後「#」→「4」を選択 |
| クレジットカード番号を入力してしまった場合 | 三井住友カード 不正利用対応窓口 |
0120-919-456 06-6445-3530 |
年中無休・24時間 接続後「1」→「1」→「3」→「3」→「1」を選択 |
※ メールやSMSに記載された電話番号は使用せず、必ず公式に確認された番号へ連絡してください。
※ 電話口で暗証番号やパスワードを求められることはありません。
三井住友カード フィッシング詐欺被害にあってしまった場合の補償について
近年のフィッシング詐欺は、公式サイトと見分けがつかないほど巧妙化しており、注意していても被害に遭うケースが後を絶ちません。そのため、被害に遭った事実だけで「自己責任」と判断されるわけではなく、状況次第では正当に補償を受けられる可能性があることを知っておくことが重要です。
補償の判断基準になる「会員補償制度」の考え方
三井住友カード会員規約の中では、「第14条 会員保障制度」で補償の仕組みや範囲が明確に定められています。この制度は、第三者による不正利用が発生した場合に、一定の条件を満たせば会員の損害を補填する仕組みです。カード会社は、被害の経緯や詐欺の手口、利用状況などを総合的に確認したうえで、不正利用かどうかを判断します。
補償されるかどうかの分かれ目になるポイント
補償されるかどうかは、「被害に遭った」という事実だけで決まるものではありません。判断の分かれ目になるのは、どのような経緯で情報が盗まれ、不正利用に至ったのかという点です。
特に重視されるのは、会員に重大な過失があったかどうか、被害発覚後の対応が適切だったかといった点です。
フィッシング詐欺被害が「補償される」基本条件(第14条1項)
次の3つを満たす必要があります。
- 紛失・盗難・詐取(フィッシング含む)による不正利用であること
- 警察に被害届を出していること
- 三井住友カードに速やかに連絡していること
フィッシング詐欺は「詐取」に該当するため、原則として補償制度の対象に含まれます。
フィッシング詐欺被害が補償されない代表的なケース(第14条3項)
・暗証番号が使われた取引(暗証番号を入力した取引)は基本的に補償対象外です。
・申告前の60日より古い利用分
・暗証番号を教えてしまった、カードの管理が不十分だったなど)
・同居の家族や代理人による利用と判断された場合(第三者利用と認められない場合)
詳細は以下カード規約を参照ください
よくある質問(FAQ)
まとめ
「ポイント有効期限が迫っています。お早めにご利用ください」という件名でも、メールの内容をそのまま信用するのは危険です。とくに普段とは違うメールアドレスやSMS通知の場合は要注意です。何か変だな?と思ったら、一度立ち止まり、公式ルートで確認する習慣を持つことが何よりのフィッシング詐欺防御策になります
- 「ポイント有効期限が迫っています」を装う詐欺が実在する
- URL先は本物そっくりの偽サイト
- 見分け方はサイト内のリンクチェックやアグースを活用する
- 明細確認は三井住友カードの公式アプリ(Vpass)から必ず行う
- 誤ってログイン情報を入力してしまったらカード会社へ即相談する

