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ニセ警察詐欺の電話で「あなたを捜査している」「LINEに移動して」「資金を確認するため送金して」と言われたら、いったん通話を切ってください。警察がLINEのトークやビデオ通話で捜査を進めたり、個人名義の口座へ送金させたりすることはありません。

表示番号の末尾が「0110」でも、本物とは限りません。相手が氏名や住所を知っていても同じです。折り返しボタンは使わず、警察署の公式サイトなどで自分で調べた番号へかけ直してください。不安な段階なら警察相談専用電話#9110、今まさに送金や脅迫が続いているなど緊急性が高い場合は110へ相談します。

この記事では、警察を名乗る電話に出ただけの場合から、個人情報や身分証を送った、銀行情報を伝えた、送金した、遠隔操作アプリを入れた場合まで、被害の進み具合に合わせて「今から何をするか」を整理します。2026年8月11日時点の警察庁、警視庁、国民生活センター、金融庁、IPAなどの公式情報を基にしています。

最初の10分で行うこと

  1. 通話とLINEのやり取りを止める。相手に確認や反論を続けない
  2. 送金・ATM操作・アプリのインストールを止める
  3. 着信履歴、LINEアカウント、振込先、会話の時刻を保存する
  4. 公式番号へ自分から相談する。相手が示した番号にはかけない
  5. 下の表で、自分が伝えた情報に合う追加対応へ進む
進んだ段階優先して行うこと
電話に出ただけ遮断、証拠保存、#9110への相談。追加の連絡に反応しない
氏名・住所・生年月日を伝えた今後のなりすまし連絡を警戒。重要アカウントの本人確認情報を見直す
LINE追加・身分証画像を送ったブロックと通報、発行元への相談、名義悪用対策を検討
口座情報・カード情報・認証コードを伝えた金融機関やカード会社へ直ちに連絡し、利用停止・認証情報変更を相談
送金した警察と振込先金融機関へ直ちに連絡。振込記録を保存
遠隔操作アプリを入れた通信を切り、別の安全な端末から口座・メール等を保護。アプリを削除
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電話に出ただけで、情報を伝えていない場合

電話に出ただけで、個人情報を答えず、URLを開かず、アプリを入れず、送金もしていないなら、まず相手を遮断します。着信拒否だけで終わらせず、同じ相手が別番号やSMS、LINEで接触する可能性を想定してください。

  • 着信日時、表示された番号、名乗った所属と氏名をメモする
  • 留守番電話やSMSが残っていれば削除前に保存する
  • 番号を検索して出てきた非公式サイトへ個人情報を入力しない
  • 本物か確認したい場合は、都道府県警察の公式サイトから警察署番号を調べる

「何も答えていないから、相手へ電話して問い詰める」は避けてください。通話が長引くほど、家族構成や勤務状況などを会話から推測される材料が増えます。

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氏名・住所・生年月日を伝えてしまった場合

氏名、住所、生年月日だけで直ちに銀行口座から送金できるとは限りません。しかし、次の詐欺で「本人しか知らない情報」として使われ、家族、勤務先、銀行、カード会社を装う連絡の説得力が増します。

  • 同じパスワードを使い回している重要アカウントがあれば、公式アプリや公式サイトから変更する
  • メール、Google・Appleアカウント、携帯電話会社、金融サービスは多要素認証を確認する
  • 家族へ「警察を名乗る電話が来た」と共有し、家族への確認電話にも合言葉なしで答えないよう伝える
  • 郵便物、カード利用通知、携帯電話の契約通知に身に覚えがないものがないか確認する

相手がすでに住所を知っていた場合も、警察である証明にはなりません。漏えいした名簿や過去の取引情報が悪用されることがあります。

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LINEを追加した・身分証画像を送った場合

国民生活センターは、警察がLINEのトークやビデオ通話で連絡を取ることはないと明記しています。偽の警察手帳や逮捕状を画面で見せられても、やり取りを続けないでください。

  1. トーク履歴、プロフィール、送った画像、相手のIDやQRコードが分かる画面を保存する
  2. 保存後にアカウントをブロックし、LINE上で通報する
  3. 運転免許証などを送った場合は、発行元の窓口や警察へ相談する
  4. 名義悪用が心配なら、CICやJICCの本人申告制度を確認する
  5. 数か月は信用情報、カード、携帯電話契約などに身に覚えのない動きがないか確認する

CICの本人申告は、本人確認書類の紛失・盗難や名義悪用のおそれがある場合に、申告情報を信用情報へ登録できる制度です。登録すれば不正契約を必ず防げるという制度ではありませんが、クレジット会社などの与信判断時に確認される情報の一つになります。画像を送った状況が対象になるかは、各機関へ確認してください。

口座・カード・暗証番号・認証コードを伝えた場合

口座番号だけでなく、ログインID、暗証番号、カード番号、有効期限、セキュリティコード、SMS認証コード、ワンタイムパスワードのいずれかを伝えた場合は、被害が見えていなくても金融機関やカード会社へ直ちに連絡してください。

  • 通帳やカードに記載の窓口、または公式サイトから連絡先を調べる
  • 「警察を名乗る相手に何を伝えたか」を項目ごとに説明する
  • カード・インターネットバンキングの一時停止、再発行、認証情報変更が必要か確認する
  • 不審な端末登録、振込先登録、利用明細がないか確認する
  • パスワード変更は、相手に操作された端末ではなく別の安全な端末から行う

銀行やカード会社を検索するときも、広告欄に表示された窓口やSMS内のリンクではなく、公式アプリ、カード裏面、公式ドメインから確認します。

送金してしまった場合は時間を空けない

金融庁は、詐欺で振り込んだ場合は警察と振込先の金融機関へ連絡するよう案内しています。犯人が引き出す前に口座の利用停止へつながる可能性があるため、相手との返金交渉より先に連絡します。

  1. 振込日時、金額、振込先銀行・支店・口座番号・名義を保存する
  2. 警察へ連絡し、被害状況を届け出る
  3. 振込先金融機関へ「詐欺被害でその口座へ振り込んだ」と伝える
  4. 自分の取引銀行にも、組戻しなど可能な手続きがあるか確認する
  5. 受付番号、担当窓口、連絡日時を記録する

振り込め詐欺救済法に基づき、振込先口座に残っている資金から被害回復分配金を受けられる場合があります。ただし全額返金を保証する制度ではありません。「被害金を取り戻す」と名乗る新たな業者へ、追加で手数料を払わないでください。

遠隔操作アプリを入れた場合

相手の指示で画面共有や遠隔操作アプリを入れた場合、通話を切るだけでは操作権限や保存した認証情報が残る可能性があります。

  1. Wi-Fiとモバイル通信を切り、端末をネットワークから外す
  2. 別の安全な端末から、メール、Google・Apple、金融サービスのパスワードを変更する
  3. 金融機関へ遠隔操作を受けたことを伝え、不審な取引と端末登録を確認する
  4. インストールしたアプリ名と権限を記録した後、公式手順で削除する
  5. 不審な管理者権限や構成プロファイル、見覚えのないアプリが残る場合は端末メーカーや専門窓口へ相談する

IPAは、遠隔操作アプリが正規アプリであっても、第三者の指示で利用すると意図しない操作をされる危険があると注意喚起しています。銀行操作を見られた可能性がある場合は、アプリ削除だけで終わらせないでください。

2026年に確認されているニセ警察詐欺の入り口

ニセ警察詐欺は、最初から警察を名乗るとは限りません。2026年に警察庁担当者が説明した事例では、通信事業者などを名乗る電話や自動音声から始まり、途中で警察役へ交代する流れも確認されています。

電話や画面で起きること判断と対応
「携帯料金が未納」「あなた名義の携帯から迷惑メールが送られた」と言われる相手の案内を続けず通話を切る。通信会社の公式窓口へ自分から確認する
自動音声で「1を押すと警察へ転送」と案内される警察へ転送するという流れ自体を信用せず、番号を押さずに切る
警察署の代表番号や末尾0110が着信画面に表示される発信番号は偽装できるため、表示だけで本物と判断しない
LINEへ移動し、ビデオ通話で警察手帳や逮捕状を見せられるその時点で詐欺と判断し、ブロック・通報・警察への相談を行う
「身体の特徴を確認する」と服を脱ぐよう要求される金銭要求がなくても詐欺。映像を送らず、直ちに通話を切って相談する

LINEの注意表示が出る場合もありますが、表示が出ないから安全とは限りません。「警察に転送する」「逮捕状が出ている」「LINEやビデオ通話で本人確認する」という流れが出た時点で、相手との連絡を止めてください。

本物の警察か確認する方法

相手の言動判断
LINEやビデオ通話へ移動させる詐欺と判断して遮断する
捜査や資金確認を理由に送金させる詐欺と判断して遮断する
誰にも話すなと口止めする詐欺を強く疑う
逮捕状・警察手帳の画像を見せる画像だけでは確認にならない
0110で終わる番号が表示される番号表示だけで信用しない
所属、担当者、内線を名乗るいったん切り、公式番号へ自分から確認する

「番号を検索したら警察署だった」だけでは不十分です。発信番号を偽装する手口があります。確認は、いったん通話を終了し、自分で探した公式番号へかけるところまで行ってください。

家族・勤務先への二次被害も止める

相手に家族の氏名、勤務先、部署、学校などを話した場合は、自分だけで抱え込まず関係者へ共有します。ただし、詐欺相手から送られた画像や身分証を、注意喚起のつもりで大人数のグループへ転送しないでください。必要な範囲へ「警察を名乗る不審電話があり、私や警察を装った確認連絡が来る可能性がある」と伝えます。

  • 家族には、送金や個人情報確認を電話だけで決めないよう伝える
  • 勤務先情報を話した場合は、代表電話や総務へ不審な在籍確認に注意してもらう
  • 自宅訪問を示唆された場合は、扉を開けず110へ相談する
  • 相手が知っていた情報と、自分から追加で話した情報を分けて記録する

犯人が「守秘義務がある」「家族へ話すと逮捕する」と孤立させるのは、第三者の確認を避けるためです。口止めされたときほど、警察、金融機関、家族など相手と無関係な窓口へ相談してください。

相談時にそろえる証拠

  • 着信日時、電話番号、通話時間
  • 相手が名乗った警察署、部署、氏名、内線
  • LINEの表示名、ID、QRコード、プロフィールURL
  • 送られてきた警察手帳、逮捕状、口座などの画像
  • 伝えた個人情報の範囲
  • インストールしたアプリ名と操作された時間
  • 振込明細、口座情報、利用通知
  • 相談先、受付日時、担当窓口

証拠保存は大切ですが、相手との連絡を続けて新しい証拠を集める必要はありません。自分と家族の安全、口座・端末の保護を優先します。

なぜ今、ニセ警察詐欺に注意が必要か

警察庁が2026年6月に公表した2025年の確定値では、ニセ警察詐欺の認知件数は11,014件、被害額は1,005.0億円でした。特殊詐欺全体の被害増加を押し上げる主要因とされています。高齢者だけの問題ではなく、国民生活センターには20歳代から50歳代の相談も寄せられています。

よくある質問

警察から「あなたを捜査している」と電話が来ることはありますか?

電話内容だけで本物か判断しないでください。特にLINEへの移動、送金、口止めが出たら遮断します。所属などを聞いていったん切り、公式サイトで調べた警察署の番号へ自分から確認してください。

逮捕状の画像を見せられました。本物ですか?

画像は偽造できます。LINEやビデオ通話で見せられた逮捕状・警察手帳を信用材料にせず、連絡を止めて#9110などへ相談してください。

身分証を送っただけなら、カードを作り直すべきですか?

必要な手続きは書類の種類と送った面、記載情報、被害状況で変わります。警察と発行元へ状況を伝えて確認し、名義悪用が心配な場合はCIC・JICCの本人申告制度も確認してください。

送金後、相手が返金すると言っています。待ってよいですか?

待たずに警察と振込先金融機関へ連絡してください。返金や救済を名目に追加送金を求める二次被害にも注意します。

まとめ

  • 警察はLINEで捜査や送金指示をしない
  • 0110表示や相手が個人情報を知っていることは本物の証明にならない
  • いったん切り、自分で調べた公式番号へ確認する
  • 伝えた情報に応じて、警察、金融機関、カード会社、信用情報機関、端末の対処を進める
  • 送金した場合は、相手との交渉より警察と振込先金融機関への連絡を優先する

公式情報・相談先

相談先は、警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188です。生命・身体への危険や、今まさに被害が進行している場合は110へ連絡してください。

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